結論として、テーピングやサポーターをつけて運動することは、再受傷(同じ場所を怪我した)を予防し、パフォーマンスに著明な悪影響を与えない可能性があります。
※テーピングやサポーターの選択などは必要となります。
今回は、そんなテーピングやサポーターについてのお話をさせていただきます!
テーピングの効果について
テーピングによる期待できる効果は大きく以下の5つがあげられます。
- 特定の関節運動を制限すること(固定や制動)
※テーピングによる固定力は運動後すぐに低下するとの報告あります(10~30分程度)。
そのため、ケガを予防するために必要な動作を覚えることがとても大事です。 - 機能的な問題のある部位をサポート(例:靭帯や腱の機能低下を補強)
怪我をしてからのリハビリとスポーツ復帰直後の段階で予想される取り組みですね。
※怪我からの復帰はお医者さんの治療方針のもと進められるのが望ましいです。
もしくは、怪我をしてからかなり時間が経過している場合には、
パフォーマンステストを行い、怪我のリスクをスクリーニングする必要もでてきます。 - 圧迫による腫脹を抑えること、圧迫による部分的な伸張ストレスを緩和
- 痛みを和らげる
※該当部位の悪化を起こすことがあることも注意 - 不安感の軽減と精神的な安心感をもたらす
→安心感から「テーピング離脱できない」とならないことに注意は必要です。
テーピングとパフォーマンスについて
結論として、パフォーマンスは大きく変わりません。
テーピングとサポーターがパフォーマンスに与える影響を解析した研究
スプリント、アジリティ、ジャンプにおいてパフォーマンスの有意な変化は認められませんでした(Cordovaら、2005)。
トップアスリートに限定したレビュー(報告)
バランス、ホップ(片足での前方へジャンプ)、ジャンプの3つ課題において、太もも近くにエラスバンド(テーピング)を巻いてホップはポジティブな影響。
足首にテーピングを巻いて、垂直飛びではネガティブな影響があったと報告されています。その他は有意な効果は示されていません(Lau&Cheng,2019)。
この研究の中身を深堀すると…
太ももにテーピングを巻いてホップ課題では、運動の制限が効いたことで、力の伝達がうまくいったことが推察されます。
足首にテーピングを巻いて垂直飛びの課題では、足首の腱が伸張の阻害され、パフォーマンスが下がったのではと考えることもできます。
トップアスリートレベルでは、この辺までしっかり考えてやっていきたいですね。
テーピングやサポーターでケガを予防できるの?
ケガを予防する目的としてテーピングやサポーターは意味があるのでしょうか?
過去に足関節捻挫の既往がある人を対象として、テーピングまたはサポーターを着用していた群とそうでない群の捻挫の捻挫の発生率をみた研究です。
テーピングまたはサポーターを着用していた群ではテーピング・サポーターのどちらかに関わらず、捻挫の発生率が低いことが報告されています(Dizonら、2009)。
足関節捻挫後は、再捻挫を繰り返す割合が高いといわれていますので、テーピングやサポーターによる予防やリハビリ、動作の学習(神経筋トレーニング)、さらに土台の体力の向上も必要ですね。
別の観点から
足関節へのテーピングが立位バランスへ及ぼす効果について
少し細かく、体の構造や動きから推測した研究を見てみましょう。
健常な若年成人41名を対象として、足の裏小指側にテーピングを貼り(足底中足部から第5中足骨底を経由し,立方骨間から踵骨へ)、重心移動距離や移動速度をみた研究です。
結論として、一枚のテーピングを足関節へ貼付することで,不安定な立位(両足でつま先立ち)を安定させる効果があると言っています(満丸ら,2018)。
※検証は平均値の差によるP値のみで判断しているので、断言は注意です。
つま先立ちだったのでこのような結果になった可能性もあると考えています。
臨床では、足部の一部を制動し、テーピングにより筋発揮がしやすい環境をつくることで、足部の安定性を作っていくという考えは、怪我をしてからの早期スポーツ復帰、リハビリの場面では治療を後押しする根拠になりそうですね。
さいごに
運動やスポーツを楽しむ人のテーピング
- 怪我を予防するため
- 不安感や恐怖心を軽減させるため
※頼りきりにならず、怪我を予防するための動作を練習することも大切です!
外部での理学療法士に求められているテーピング
- 医師からの指示の範囲で、傷害部位のサポート(固定や圧迫など)、治療の一手段
- 下記SCSCとして求められるものも含む
CSCSが現場で求められるテーピング
- 担当理学療法士または医師の指示内での障害部位のサポート(固定や圧迫など)
- 怪我予防としてのテーピング
- 本人の安心感や恐怖心を軽減させるためのもの

