バランス測定・評価(SIDE(サイド))について

理学療法国家試験

はじめに

こんにちは!みおしんです。本日はバランス評価のSIDEについてお話をしようと思います!
この評価のメリットなど、簡便で個人的にはわかりやすい評価だなと思い、この評価をご紹介します!

SIDEとは

SIDE は,静的立位バランス保持能力を開脚立位,閉脚立位,
つぎ足立位,片脚立位の順に行い,可能な動作と不可能な動作によって低い能力から順に Level 0,1,2a,2b,3,4 の 6 つの Level に分ける判別的立位バランス保持能力テストである。

近藤和泉,ほか.立位バランスの判別的尺度(Standing test for imbalance and disequilibrium:SIDE)の検者間信頼性の検討.リハ医学.41(7):483,2004

なるほど・・・つまり静的バランスの評価なのだなと理解することができます。
この評価のいいところは、急性期病院などにおける早急な評価と目標設定が必要な必要な場合に、
この評価を実施することである程度の歩行の自立度を根拠を持って説明できることだと感じてます!

実際に説明をしていきます!

どうやってやるの?

測定の方法と評価はこのような感じですね。

Level 0 は,開脚立位を一人で保持できず,立位保持には必ず,支持(自分でつかまるか介助者が支える)が必要である。

Level 1は,開脚立位を一人で保持できるが,閉脚立位は,5 秒以上保持不能で,バランスを崩す。

Level 2a は,閉脚立位は 5 秒以上可能だが,つぎ足立位は,両側とも 5 秒以上保持できないか,バランスを崩す。(ここでの,つぎ足立位とは,片方の足の踵を,もう一方のつま先につけて,一直線にして立つ。右足(または左足)を前にする場合と後ろにする場合がある。)

Level 2b は,つぎ足位は,片側だけ 5 秒以上保持可能だが,もう一方は 5 秒以内にバランスを崩す。

Level 3 は,つぎ足は,両側とも 5 秒以上可能だが,片脚立位は 30 秒以上できない。

Level 4 は,どちらか一方で片脚立位が 30 秒以上可能なレベルである。

SIDE の段階付けは,テスト対象者が自発的,あるいは介護者の介助によってとられた肢位を一定時間保持できるかどうかによって決定される。従って,ベッドまたは椅子(車いすを含む)に座った姿勢から立ち上がり,このテストで指定されている肢位をとるまでは介助してもよく,その後,一定の姿勢を保てるかで判定していく。テストは,低い方の Level 0 の判定から順に開始し,対象者が少しでもバランスを崩した場合,すぐに介助して転倒させないように行い,安全性を確保するようになっている。Level は難易度の順に並べてあり,ある Level のテストでバランスを崩して介助を受けた場合は,それ以上の Level は試みないこととされている。

寺西 利生.特集 病棟における転倒予防:バランス評価尺度 Standing test for Imbalance and Disequilibirium(SIDE)とその運用.日本転倒予防学会誌.4.(1),2017

測定・評価結果から何がわかるのか…

得られた評価結果から、このように判断することができます!

Level 0 の患者は,移動には車いすが原則で,ベッド・車いす間の移乗にも介助が必要である。

Level 1 では,転倒する危険が高いのでベッドサイドでの立位移動には必ず見守りまたは介助が必要である。

Level 2a では,危険肢位・動作を取らないように自分で注意できる能力があれば,手すりあるいは歩行器歩行が可能である。

Level 2b では,危険肢位・動作を取らないように自分で注意できる能力があれば,独歩可能,できない場合は周囲が厳重に注意する必要がある。

Level 3 では,屋内の独歩は可能,屋外は注意が必要である。

Level 4 では,屋内外とも転倒の危険性はほとんどない。危険肢位・動作とは,立位あるいは歩行時に後ろを振り返るや,歩行時方向転換をする時足をクロスさせることであり,両者はつぎ足に類似した肢位になりやすく,転倒危険性が高い肢位・動作である。

寺西 利生.特集 病棟における転倒予防:バランス評価尺度 Standing test for Imbalance and Disequilibirium(SIDE)とその運用.日本転倒予防学会誌.4.(1),2017

つまり、病棟内での監視なしでの歩行は可能なのか?、現状として退院後に歩行自立は可能なのか?
目標設定や、現状把握の評価としてとても分かりやすいです。
詳細な評価ではありませんが、「立位保持が可能となった患者様に対し、どれだけ能力を上げれるか、簡便に評価し現状を把握することができる」これがSIDEを使うメリットだと私は思っています。

まとめ

  • SIDEはバランスの測定・評価である
  • 歩行の実用性を上記論文を基に他部門に情報共有が可能となる
  • 詳細なバランス評価にはならないが、簡便的に現状を把握することができる。

    これがSIDEのメリットだと私は感じました!以上で今日は終わります。皆様も本日はお疲れ様でした。
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