運動だけではほんとに体重は落ちないの⁉
~はじめに~
体重調整の大原則は消費エネルギー(カロリー)>摂取カロリーの天秤(エネルギーバランス)をつくることです。これは皆さんも良くご存じかと思います。
体内ではエネルギーバランスの調整は体内のホルモンにより行われます。
このホルモンは食事や心理社会的ストレス、腸内微生物、身体活動(生活活動・運動)
などの影響をうけることが分かっています。
しかし現在は運動のみによる体重減少への効果は低い(ハードルが高い)
と考えられています。
ダイエットしたい方へまずはこんな情報が届けば幸いです。
🔥ダイエット論争🔥 運動は意味がないの??
一昔前までは、体重を落とすために運動の効果が低いと言われている理由は、圧倒的に運動量より食事量が上回ること。そして、運動後の疲労や空腹感が食事量増加を助長すると考えられていました。
例えば:体重70㎏の男性が徒歩(ゆっくり歩行67ⅿ/分)を1時間行うと概算で220カロリーを消費できます。しかし、ご褒美としてコーラをペットボトル1本分摂取すると225カロリーとなる。
じゃがりこ1カップなら285カロリー程度で食事量が1時間歩行のカロリー上回ります。
この仕組みが運動だけでは痩せない、または痩せるのが大変である根拠
として多く言われていました。
実際に、運動による体重減少の効果がないのか?を調べた研究がされています。
結論として運動をしてたとしても、運動自体のエネルギー消費量が少なく、同時にカロリー摂取量が増加したことが原因であったと報告されています(Thomas, et al, 2012)。
このことから運動でも効果はあるが、
運動だけで体重を落としていくには運動量をしっかりと確保していく事
(つまり、ご褒美を振り切るくらいの運動量)が
必要であるということです。
どの程度の運動であれば改善できるの?
毎日ゆっくりの散歩を1日1回生活の中に追加した場合で考えてみましょう。
体重70㎏の男性が徒歩(ゆっくり歩行67ⅿ/分)を30分行うと、大体2㎞程度の歩行(110カロリー)ができます。
「運動の神話の著書」である、ダニエル・E・リバーマンさんは本の中でこう述べています。
運動による体重減少は、よりはるかにゆっくりとしたペースで緩やかに進む。
運動の神話 著・ダニエル・E・リーバーマン 早川書房
1年に渡り、毎日2.3キロ余分に歩けば2.3キロの減量につながる可能性がある。
単純なカロリー計算では、ダニエル・E・リバーマンさん以上の体重減少ができると
理屈的に推察されます。
例:110カロリーの消費を365日分行うので、1年の余分な消費エネルギー量は40150カロリー。
それを脂肪量(1㎏)約7000カロリーで割ると約5.7㎏の減量となります。
しかし上記の著者が言いたいのは、「体重調整は様々な影響を受ける為、そう単純で簡単な話ではない。」ということだと思います。
この本の中でも運動による体重減少について、よりはるかにゆっくりとしたペースで緩やかに進む。と、文章の中に副詞、形容詞、形容動詞を用いて運動による効果の程度を強調して説明されています。
運動による効果の程度はどのくらい??🏃
さてここからは実際の研究でどのように運動の効果が出ているのかを確認していきましょう。
アメリカスポーツ医学会(以下、ACSM)から、中等度の運動(歩行レベル以上の運動)を150~250分/週で実施することは予防に有効ではあるが、体重減少にあまり効果的ではないといわれています(ACSM,2009)。
肥満症(BMI25以上35未満)を対象とした場合の研究では、運動による減量効果を期待することはできるが、150分/週未満ではごくわずか。体重減少量は150分/週以上では約2~3㎏。225~420分/週以上では5~7.5㎏と報告しています(Donnelly JE, et al, 2009)。
これらの研究をもとに、日本肥満学会では、運動により減量はできるが肥満症の患者に対しかなりハードルの高いものと思われると考察され、運動療法は肥満予防に有効である(推奨グレードA)、運動療法は減量(体重減少)にはあまり効果的ではない(推奨グレードA)と報告されています(日本肥満学会,2022)。
このように運動だけでダイエットを目指す場合。
週150分以上の運動をお仕事や家事、勉学をしながらこの運動量を継続していけますか?
また運動のみのコントロールでは、筋肉量をしっかり維持していけるでしょうか?
是非ダイエットの情報提供として考えてみましょう。
食事の重要性を感じるようになってきたと思います。
実際のご相談!
~基本情報~
男性 仕事はデスクワーク中心で座位中心。
「通勤前に1万歩散歩するが全く痩せられない」と相談されました。
BMIは25以上。 喫煙歴はありませんでしたが、お酒は週に7回夜に晩酌。
食事は朝食欠食なし 間食は時々。運動への意欲はかなり高い方です。
※食事内容や時間帯などは省略しています。
~目標設定~
具体性:「健康的寿命を延ばすため、体重を3~6か月で3%落とすこと」
測定:Inbodyと腹囲にて体・体形指標の評価/体力テストにより体力測定
関連性:減量により健康指標の改善/体力要素の向上
達成の可能性:文献や経験により可能と判断した
期限:3~6か月
~行動の問題点の把握と処方~
この方の場合、食事には目を向ける様子は全くなかったため、
本人と一緒に運動のメニューのみ処方しました。
運動の目標は、週に1度は散歩以外の運動を行うことと設定しました。
※この方の場合は元々運動の問題はありませんが、信頼関係の構築が
先と判断しました。
~開始1.2か月後~
元々運動量が多かった方で追加で週に1~2回の運動を行ったことで、体重は約0.5~1㎏
の減少がみられました。その後横ばいとなり本人も少し不安な様子。
ここから、運動以外の本人が考える食事の大きな問題点を挙げてもらいました。
それが、お酒でした。
お酒は運動開始してから運動日以外は摂取しており、
運動日と+1日減らすことから始めてみませんか?と一緒にこれを食行動の目標に。
~結果~
体重は3か月で3%以上の減少(無理な制限なし)。
本人もお酒の量を減らしたら体重も落ちていったことに喜んでおりました。
このように、BMI25以上の方の場合、問題点をまず継続できそうな食行動を一つでも改善してみるだけで成功体験をつながるということがわかると思いますし、食事による比重がとても大きいと改めて感じる経験です。また、食事のみならず、ストレス環境や睡眠などにも目を向けることが大切です。
運動が意味ないかというと「健康」という観点からはとてもいい影響があります✨
この辺は後日または投稿していこうと思います!
実際にダイエットを頑張りたいという方へぜひご相談ください!


