2026年4月5日 日本経済新聞より、「パーソナルトレーナー、技量にばらつき 実技試験なく資格取得」というタイトルの記事が出されました。
フィットネスに対するニーズは増えているが、その一方トレーナーは実技試験を受けること無く資格を取得する現状。「現状」と「トレーナーの技量のばらつき」と「事故」の関連性を連想するような記事となっています。
パーソナルトレーニングを受けてみたい方は、「何をもって相手を信頼するか」
パーソナルトレーナーの方は「明日は我が身」を考えるきっかけにしてもらえれば
と思います。
自分の再学習にも議題だと思い今回は私なりの考え(独り言)を投稿します。
記事の大枠の内容
今回使用した記事になります↓
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC238D90T20C26A3000000
記事の主題はざっくりこんな感じです。
- 予防医療として関心が高まるフィットネス現場で、年間のパーソナルトレーニング中の事故の増加がみられいる。
- 一方でトレーナーの技量のばらつきが顕在化(隠れていた問題などが、はっきりと目に見える形や状況として表面化)。
- パーソナルトレーナーとして働くまでにスポーツトレーナーなどの資格取得を行うが、その試験自体に実技試験がないことを挙げています。
この記事では、技量のばらつき=事故件数が増えていると言ってはいません。
※そう言いたいように感じますが…
あとパーソナルトレーナーの技量の定義とは…
事故(過失)を予防する 事例から検討してみよう
事故データバンクで「パーソナル」と検索すると、こんな結果がヒットしました。
「パーソナルジムで膝関節症と椎間板の痛みがひどくなった。
事業者に申し出たが、謝罪もなく、対応しない。」
この事象から問題を整理してみます。
- 「パーソナルジムを受けたから膝関節症と椎間板の痛みがひどくなった」
→この情報からは因果関係は不明。
※免責同意書やリスクに関する説明責任の重要性を再確認。 - 「事業者に申し出たが謝罪、対応がない」
→債務不履行(安全配慮義務違反)の可能性がある。
このように、説明責任や安全配慮への意識の重要性が認識できます。
- パーソナルトレーナーにとっての問題となることは「過失」です。
※事故はどんなに予測しても起こりうる可能性がある事象です。
そのため事故よりも安全配慮を怠った、過失が問題なのではないでしょうか? - 「過失」とは合理的で賢明な人物が同様の状況下で行うであろうことをしなかったことです。
- この過失を防ぐために、リスクや免責に関する説明かつ、安全に配慮した行動をする必要があります。
何が言いたいのかというと、エクササイズの選択、強度の選択などトレーニング内容の選択に関する技量、施術に関する技量だけではなく、契約に関する土台がしっかりしていない可能性もあると思います。
技量があれば事故は防げるのでしょうか?
話は、技量不足へ戻ります。例えば「技量がある人」を「理学療法士で施術経験経験5年以上かつリハビリで担当した人数500名以上、トレーニングの指導経験もあり」としましょう。
この人がこんなパーソナルトレーニングをやっていたらどう感じますか?
- 曖昧な契約書でかつ消費者へのリスクに関する説明責任が無い
- いかにも壊れそうなマシンで運営していた。
- 施設にとっての目標と業務の実践範囲を明確化せずに何でも行っている
- 専門分野外の技量を超えたニーズに対するサービスの提供
- 施設のポリシーや手順が不十分※マシンメンテナンス不十分なども含む
これらは、消費者(利用者)からしたら見えない部分も多くあります。
消費者(使用者)にとって最低限の安全性を確保していない、リスクに関する説明をせず/または準備せず、安全性の欠落した(技量や安全配慮義務を無視した)運動が提供されると、
いかに技量がある人でもおっかないですよね…
今回取り扱った記事内での技量にはニーズ(ボディメイクやパフォーマンスアップ)の達成と傷害を予防をするために必要な能力だけを指している気がしました。
本来の意味での技量とは、安全への配慮や運営に関する知識や準備(つまり契約や運営に関する知識や準備)も含まれており、それらが不足していることが問題なのではないでしょうか?と私は思います。
消費者者(使用者)の期待がパーソナルでできることの上限を超えているのなら、
そもそもリスクを許容できない(サービスの提供ができない)と判断するからです。
もしくは主治医からの許可(運動制限)を確認する必要があります。
契約や運営の重要性について
事故データバンクでパーソナルで「パーソナル」「痛い」と検索すると。
こんな結果がみられます。
「昨日パーソナルジムで腹筋中にベンチプレスのダンベルが落ちてきて、激しい痛みがあり、緊急搬送された。治療費を負担するべきか。」
「ネットの広告を見て業者の店舗へ行きパーソナルスポーツジムの契約をした。トレーニングが原因で骨盤に痛みが出た。解約希望。」
このように、「運動に伴う怪我」→「お金や解約関する相談」の流れの相談が多く寄せられています。
技量とは施術やトレーニング内容に関するものだけではなく、契約に関することも含めてとらえた方がいいですね。
さいごに まとめと一言
今回「技量」の定義があいまいで難しい記事ではありましたが、ざっくりまとめてみました。
- 技量がない=事故が起こりやすいのではなく、技量には安全性への配慮や契約、運営についての知識や準備も含まれるのではないか。
- トレーナーの方には今後もフィールドで活躍してもらうために、是非再認識を
- パーソナルに通いたい方にとっては、口コミだけにとらわれず、資格の有無(さらにはどんな資格なのか)や、契約について、無料体験時のスタッフの対応など(故障中の物をおきっぱにしてないかも)等をしっかりすることが大切ですね。
大学時代の先生は「理学療法士はスポーツ、トレーニングを教える人じゃない」とよく言っていました。確かに日本における理学療法士の定義を確認しても、スポーツ現場に理学療法士がいることは主としない業務だと思います。
※ただし理学療法士は職域の幅を広げていますし、先生の言葉の背景には「あなたたちCSCSがもっと社会で活躍しなさい」というやさしい意味が込められています。
現在の、日本の法律的にはパーソナルトレーニングに関する法的範囲を定めるものはありません。
無資格者から医療従事者まで縦横無尽にパーソナルトレーニングを教えることができるわけです。
これをビジネスチャンスととらえるのか、問題であるととらえるのかは、意見が分かれると思いますが、この構造の中で、どのように安全にフィットネスの分野を盛り上げていくか、それを考える一つのきっかけになればと思います。
ではまた
参考文献
・https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC238D90T20C26A3000000(閲覧日:2026年4月6日)
・https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/(閲覧日:2026年4月6日)
・https://nsca-japan.or.jp/pdf/database/position-statement/riskmgmt.pdf(閲覧日:2026年4月6日)
