はじめに
本日は、ロコモ度テストについて投稿します!
ロコモ度テストとはロコモティブシンドロームを把握するための手段です
フレイルやサルコペニアといった考え方と比べ、移動機能に着目した考え方で、
患者様や利用者の立つ、歩くといった能力を測定するものです!
人の健康を運動で支えるためにロコモ度テストで何がわかるのかについて
お話ししたいと思います!
用語の整理
ロコモティブシンドローム
運動器の障害により移動機能が低下し、日常生活が困難になる状態
フレイル
身体的、精神的・心理的、社会的側面から包括的にとらえた要介護手前の状態
サルコペニア
骨格筋量、機能(筋力、歩行)が低下した状態
ロコモの評価 ロコモ度テストとは

図1 ロコモ度テストについて(https://x.gd/lCtHmより引用)
①椅子からの立ち上がりテストと②2ステップテスト
③問診によるロコモ25からなる評価です。
①椅子の立ち上がりテスト
40cm、30cm、20cm、10㎝の椅子から両脚または片足で立てるかを判定します。
②2ステップテスト
大股で2歩ステップした距離を測り自分の身長で割った数値です。
例)150cmの人が、2ステップテスト180cmであれば、180÷150=2ステップ値1.2となります。
おもな特徴として、
①移動能力(立つ力、歩く力)に焦点を当てた評価であること。
②天井効果(あるレベルに達すると、それ以上能力が伸び悩む現象)
を示さず、幅広い世代に適応できることです。
客観性、主観性を伴う評価として有効であると考えられています。
どうしてロコモ度が必要なの?
老化は脚(あし)から衰えていきます。
衰える脚(あし)の筋肉は歩行と関連のある脚(あし)の筋力低下が著明です。
体重を支え、移動をつかさどる脚(あし)筋肉は、20歳から75歳まで
約半分になるといわれています(1)。
立ち上がりやステップテストにより筋力がどのくらいあるのか
概算を出すことができるテストというわけです。
立ち上がりテスト
WBI(体重支持指数)を用いた運動機能との関係

話は一旦、WBIというものへ
WBI(体重支持指数)とは上の図のような機械で膝を伸ばす筋力を測定し、
それを体重で割った値のことを指します。
このWBIの数値は移動能力と関係があるといわれています。
下の図を見ていただく通り、この論文の結果から
WBIが0.4を下回ると歩行障害との関係があることがわかりますし、
強度の高い運動を行うにはWBIは1.0はほしいことがわかります(2)。

図2 運動機能評価と体重当りの脚伸展力(WBI)との関係(山本,2021より引用)
WBI(体重支持指数)と立ち上がりテストの関係

図3 立ち上がり評価とWBIの関係について(村永,2001より引用)
話は立ち上がりテストに戻ります。
立ち上がりテストとWBIとの関係を見た報告では、
立ち上がり能力とWBIに明らかな正の相関(両脚r=0.67,p<0.01,片脚r=0.75,p<0.01)が
見られました(3)。
「運動機能(移動能力)≒WBI≒立ち上がりテスト」
つまりと上記のように論法的に考えることもできそうです。
※本来であれば統計学的手法は必要です。
予測的にどのレベルの活動レベルに該当するのかを
間接的に評価をできるのではないかと
現在では考えられています。
具体例を挙げますと、
椅子の立ち上がりテスト:両脚20cm台から立ち上がりができる
WBI:0.4以上あると推察
運動機能:歩行障害なく独歩フリー歩ける可能性
2ステップテスト
2ステップは10m最大歩行速度との関係から正の高い相関が示されています(3)。
つまり、2ステップ値が高いと歩くスピードが速いということです。
また、2ステップ値と要支援・要介護の関係についてもある程度の関連がありそうで、
下記の図から、2ステップ値が1.0を下回ると自助具を使用して生活している人が
多いことがわかります(4)。
ただし、このデータのサンプル数など未発表のデータですので吟味する必要はあります。

図4 2ステップ値と歩行補助具の関係(村永,2020より引用)
ロコモ度テストのまとめ
今回学習した内容をロコモ度をベースにまとめた表を作成してみました。
病院や退院直後の独歩の目安としてまず、ロコモ度2を超えないようにしたいですね。
また、メディカルフィットネスなどの介護予防や生活習慣病予防の現場では
安全に運動を提供するためにロコモ度を使用し運動種目の選択のも手段の一つになりそうです。

応用
急性期~回復期
移動手段について、自宅退院を目指す患者様に対し評価することで、根拠を持って患者様に安全性のある移動方法を提供できると考えています。
生活期 維持期
介護予防、転倒予防としての客観的、主観的な評価として
今後は何をしていかないといけないのかを考える一手段であると考えています。
~学生へ~
ADLレベルが高く、意識レベルや認知も良好な退院直前の患者様に対し、
安全性を担保したうえで、移動能力と筋力を図る評価の一手段として
検討してもいいのかなと感じています。
特に総合実習ではボトムアップとトップダウンの両方で考えることが求められる場合も
ありますのでぜひご検討ください。
~一般の方へ~
テストは転倒のリスクがありますのでつかまれる場所であったり、支えてくれる人がいる環境で実施しましょう。
参考文献
(1)福永哲夫ほか.貯筋運動+.公益財団法人健康・体力づくり事業財団
(2)山本利春(2021)体重支持指数(WBI)の開発経緯.シンポジウム20:下肢の運動器機能評価における指標を再考する.体力科学,70,(1)
(3)村永信吾(2001)立ち上がり動作を用いた下肢筋力評価とその臨床応用.昭和医会誌,61,(3)
(4)村永信吾(2020)ロコモティブシンドローム.バイオメカニズム学会誌.44,(3)





