胃切除症候群とは
どのような症状をきたすものでどのようなものなのか確認しましょう。
胃切除後にみられる胃の機能的喪失や消化管再建等に基づく様々な障害をいう。
医療情報科学研究所 (編):病気がみえるvol.1 消化器.メディックメディア.2020
具体的には、ダンピング症候群、胆石症、輸入脚症候群、貧血、骨障害などがありしばしば生活障害をきたすため適応や治療が必要である。発生率は25~40%とされている。
今回はダンピング症候群と貧血について確認していきましょう
ダンピング症候群について
胃を切除したことにより起こる症状で早期ダンピング症候群と後期ダンピング症候群に分けられる。
早期ダンピング症候群は、残胃の拡張や急に腸に食べ物が流れ蠕動が亢進し、腸管内へ体液が移動し足り消化管ホルモンの分泌亢進により、下痢、腹痛、悪心、嘔吐、などの症状が出現し、食後30分以内に出現します(1,2)。
後期ダンピング症候群では、食べ物が急激に吸収されることで血糖値が上昇し、体内ではインスリンが過剰に分泌され、結果として低血糖症状が起こり、食後2~3時間に起こる(1,2)。
低血糖症状は「はひふへほ」で覚えましょう
は:腹が減る
ひ:冷や汗
ふ:震え
へ:変にドキドキ(動悸)
ほ:ほおっておくと意識消失
ダンピング症候群に対する対応は予防が大切で、1日の食事回数を増やし、1回の食事量を減らすこと(1)。
ちなみに低血糖症状で、動悸や冷や汗ができるのは低血糖によりアドレナリンが放出され血糖値を上げるように働こうとするために起こります。
血糖値を上げるホルモンの語呂合わせは、「砂糖にのる正しいぐるども」で覚えましょう
砂:サイロキシン
糖:糖質コルチコイド
に
のる:ノルアドレナリン
正しい:成長ホルモン
ぐる:グルカゴン
ども
貧血について
胃切除症候群では鉄欠乏性貧血と巨血芽急性貧血が起こるといわれています。
鉄欠乏性貧血
理由としては鉄(Fe)は、食べ物中に含まれるFe3+がビタミンCあるいは、腸上皮細胞上の酵素によってFe2+に還元され吸収される(3)。
※上記文面からは胃の障害は起こりにくいと考えられますが、その他文献では胃酸やペプシンなどの減少により鉄欠乏性貧血は起こりやすいとの報告があります(4)。
巨血芽急性貧血
理由は、胃の切除による内因子の分泌低下により、ビタミンB12が吸収できないことです。
参考文献
(1)医療情報科学研究所 (編):病気がみえるvol.1 消化器.メディックメディア.2020
(2) 畑 啓昭 (編).久保健太郎(編)ほか:かんテキ 消化器: 患者がみえる新しい「病気の教科書」.メディカ出版.2021
(3)医療情報科学研究所 (編):病気がみえる vol.5: 血液.2017
(4)https://www.fpa.or.jp/johocenter/yakuji-main/_1635.html?blockId=40308&dbMode=article(参照日:2024年1月14日)

