はじめに
今年の国家試験もお疲れ様でした。なるべく端的に解いてみたいと思います
※画像問題は大体省いてます。※わかんない問題も飛ばしてます。
ご了承ください。
わかりやすく問題を理解できるように作成しています!
なるべく継続して皆さんに届けられるように問題を20問に分けて投稿していきます。
※継続できるように…
第60回午後問題
(60回午後1)80歳の女性。右変形性股関節症に対し人工関節全置換術を施行。1週間が経過し、歩行器での移動が可能となった。本症例にDanielsらの徒手筋力テストに基づき、左中殿筋の段階4の評価を行う。適切な測定はどれか。
1.側臥位を計測姿勢とする
2.右側の股関節は屈曲させる
3.骨盤が回旋しないように固定する
4.左下肢は外旋位とする
5.最大の抵抗を足関節から加え、姿勢を保持できる
答え:3
股関節外転の代償として骨盤の動きをを固定する場合があり。これが3が正しい理由になりそうです。
2についてはテキストにも「下側の下肢は安定性のため屈曲する」と記載があります。
正解のようにも聞こえますが、股関節だけでなく、下肢を屈曲させましょうが正解ということになりそうです。よくある国家試験の「とんちが効いている」問題ですね。
(60回午後2) 画像問題の為解答せず
(60回午後3) 画像問題の為解答せず
(60回午後4)70歳の女性。急性心筋梗塞で入院した。身長160cm。体重70kg。安静時心拍数 70/分。安静時血圧 130/70mmHg。心臓超音波検査にて低左心機能 (LVEF <40%)が指摘されている。Karvonen法 (k=0.5)を用いた全身持久力運動の目標心拍数はどれか。
1.90/分
2.100/分
3.110/分
4.120/分
5.130/分
答え:3
カルボーネン法は
目標心拍数=(220-年齢-安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数です。
この表に当てはめると、3が正解になります。
臨床で用いる場合もありますが、誤差もありますので
薬の影響による安静時心拍数の変化などもご了承ください。
(60回午後5~9) 画像問題の為解答せず
(60回午後10)70歳の男性。食道癌術後に集中治療室に入室中。積極的に離床を行ってもよいのはどの場合か。
1.RASS-3である
2.疼痛がNRS 8である
3.心拍数が120/分である
4.平均動脈圧 80mmHgである
5.SOFA (sequential Organ Failure Assessment) scoreが前日よりも4点増加している。
答え:3
これは飛ばしていい問題ですね。
(60回午後11)70歳の男性。Parkinson病。Hoehn & Yahr の重症度分類ステージ III。歩行時にたびたびすくみ足や小刻み歩行からの突進を生じり。この患者の歩行練習で適切なのはどれか。
1.直線上を継ぎ足歩行する
2.できるだけ歩行速度を上げる
3.簡単な計算をしながら歩行する
4.等間隔の線を踏みながら歩行する
5.足首に重錘バンドをつけて歩行する
答え:4
運動の目的を考えてみましょう。この場合は、小刻みや突進歩行をなくして、
転倒リスクを下げたり、自覚的な歩き安さの改善だと考えられます。
疾患も進行型の疾患であるため、トレーニングの原則(漸進性)の適応
ではありません。
1.2については安定性がなくなる歩行の為×
3は2重課題となり注意が分散されやすく×
5.はロックリーですね。意図は感覚入力を増やすというところだと思いますが、そもそも不可により遊脚期のクリアランスが得られず転倒のリスクがありますね。
ヤールの分類は簡素化して覚えます。
| ステージ1 | 一側性に障害 |
| ステージ2 | 両側に障害 |
| ステージ3 | 姿勢反射障害 |
| ステージ4 | ADL障害 |
| ステージ5 | 寝たきり 車いす |
(60回午後12)58歳の男性。胸髄の脊髄腫瘍摘出術後、両下肢に明らかな運動麻痺、表在感覚の障害はないが、深部感覚に重度鈍麻がみられた。開眼すると立位保持可能だが、閉眼するとふらついて倒れそうになる。また歩行時にもふらつきがあり、踵打歩行が認められる。運動療法で適切なのはどれか。
1.Buerger体操
2.Codman体操
3.Frenkel体操
4.Klapp体操
5.William体操
答え:3
この問題は術後に深部感覚障害が出現した患者さんに運動療法で何を用いますか?と聞いています。
開眼するとふらつかないけど、閉眼すると倒れそうになる=運動失調あり。
これは胸髄腫瘍摘出後発生したこと、深部感覚障害もあることから
深部感覚障害→運動失調となり脊髄性の運動失調と考えられます。
つまり3のフランケル体操が答えになります。
| Buerger体操 | 末梢循環障害に行う |
| Codman体操 | 肩関節周囲炎に行う |
| Frenkel体操 | 運動失調の改善を目的に |
| Klapp体操 | 側弯に対して行う |
| William体操 | 腰痛に対しておこなう |
(60回午後13) 15歳の女子。検診で体幹前屈による肋骨の突出を認め受診した。レントゲン検査で胸椎に対して30°のCobb角を認めた。処方された体幹装具を図に示す。その装具の名称はどれか。
1.Halo装具
2.Jewett装具
3.Milwaukee装具
4.SOMI装具
5.Taylor装具
答え:3
覚えてほしいのは、側弯症に対する装具=ミルウォーキーまたはボストンでまずは考えましょう。
側弯症では20度以上で装具を検討します。50度以上では手術を検討します。
Th7までの側弯に大してはミルウォーキーでTh8以下の側弯にはボストン(別名アンダーアームブレースを用います。)
覚え方はミルウォーキーは7文字なので、Th7までの側弯にはミルウォーキーを用いる!で覚えてください。
※ボストンは「ボ」がすとんと落ちる(th7より落ちる)と覚えます。
75歳の男性。間質性肺疾患で入院中。安静時も頻呼吸で、頚部の呼吸補助筋活動が亢進し、吸気時の胸骨上切痕および鎖骨上窩の陥凹を認める。この患者に対する理学療法で最も適切なのはどれか(60回午後14)。
1.気道の吸引を行う
2.上肢の筋力増強運動を行う
3.腹部の引き込み動作の練習を行う
4.徒手的な胸郭可動域の拡大運動を行う
5.負荷を加えて吸気筋トレーニングを行う
答え:4
間質性肺炎では、肺がかちかちなため、咳は乾性咳嗽(痰がらみがない)。
そのため1は×。2の上肢の運動では呼吸補助筋が疲れてしまうので×。
3は空気が吸えない=そもそも肺がカチカチ=呼吸数を増やして代償している
そのため適切ではないと考えます。
4胸郭の可動域は呼吸苦に対してアプローチをかける場合がありますので〇
5.吸気筋が弱くて呼吸が大変なわけではないので×(ロックリーですね)
(60回午後15)飛ばします。
(60回午後1675歳の男性。糖尿病性腎症のため維持透析中。この患者の運動耐用能を評価する検査はどれか。
1.CAVI
2.HOMA-R
3.HRV (Heart Rate Viability)
4.足関節上腕血圧比(ABI)
5.心肺運動負荷試験(CPX)
答え:5
運動対応能測定=5です。
ちなみに理学療法の分野では測定=評価とすることが多いですが、
測定と評価は違いますので、その辺もぜひ覚えておいておきましょう。
(60回午後17)介護予防事業におけるスクリーニングテストを図に示す。このテストで確認可能なのはどれか。

1.サルコペニア
2.ダイナペア
3.ポストポリオ症候群
4.メタボリックシンドローム
5.ロコモティブシンドローム
答え:5
ロコモティブシンドロームは移動機能の低下した状態のことです。
測定は3つ、質問紙と2ステップテスト、立ち上がりテストです。
この測定の強みは、生活機能に直結した移動機能を測定するものになります。
ダイアぺニアは筋肉量の低下より筋力が低下した状態を指します。
ロコモティブシンドロームの測定に使うテストには下記でまとめてますので、
是非ご確認ください。
(60回午後18)77歳の女性。自宅で転倒して救急車で搬入。右大腿骨頚部骨折に対し、人工骨頭置換術が施行された。術後の右股関節は背臥位で外旋位を呈していた。翌日には患者が右足の筋力低下を訴えたため、MMTを評価したところ魅し足関節背屈筋 0であった。右足関節背屈筋力低下に対する物理療法で適切なのはどれか。
1.温熱療法
2.赤外線療法
3.体外衝撃波療法
4.超音波療法
5.電気刺激療法
答え:5
温める=筋力が復活するとは考えにくいですね。
対外衝撃波は石灰化沈着などに用いる治療です。
(60回午後19) 62歳の男性。転倒し前額部を強打し、脊髄損傷と診断された。受傷後3日目のkey muscleのMMTは両側三角筋4、肘屈筋5、肘伸展2、手関節背屈3、中指末節屈筋0、小指外転筋0、下肢筋0、両側乳頭部以下の触覚と痛覚が脱失。肛門の随意収縮と感覚は保たれていた。この患者のASIA 機能障害尺度 (ASIA imparment scale <ASIA>)はどれか。
答え:2
ASIA imparment scaleは、5段階評価の分類になり、
Aが重症→Eが正常となります。
上から頭文字をとって、CSMMN(シーエスエムエムエヌ)と覚えます。
※これは気合です!
ここでいう「運動」はやられたところより下位の運動を指します。
今回で言うと、C6,C7の肘伸展筋よりも下位です。
| C5 | 上腕二頭筋 |
| C6 | 橈側手根伸筋 |
| C7 | 上腕三頭筋 |
| C8 | 深指屈筋 |
| Th1 | 小指外転筋 |
問題をみると、運動はC6,C7より下位で機能が低下していますね。
| A | C:コンプリート | 感覚、運動ともに× |
| B | S:センソリーオンリー | 感覚〇 運動× |
| C | M:モーターユースレス | 感覚〇 運動MMT3未満 くらい |
| D | M:モーターユースフル | 感覚〇 運動MMT3以上 くらい |
| E | N:ノーマル | 大丈夫 |
この表に今の結果を当てはめると、 中指末節屈筋0、小指外転筋0、下肢筋0、両側乳頭部以下の触覚と痛覚が脱失と考えられます。
さらに、肛門の随意収縮と感覚は保たれていた。とのことから、2のセンソリーオンリーが正解だとなるわけです。
(60回午後20) 75歳の男性。体重75kg。慢性心不全。運動療法中の心電図を別に示す。Aは運動開始前、Bは自転車エルゴメータ30W負荷の運動療法中である。正しいのはどれか。

1.Aでは陰性T波を認める
2.Aの心拍数は60/分未満である
3.AはLown分類 IIIである。
4.BではSTの低下を認める
5.Bの心拍数は120/分以上である
答え:4
Aでは陰性のT(T波が低く)はなっていません。
マス目で心電図の問題が出題されたら、300÷RR間隔の大きいマス目の数で計算しましょう。
Aで言うと大体75拍/分 Bでいうと2.5マス以上なので、300÷2.5マス=120拍/分未満です。
Lown分類 IIIは多源性のQRS波が出現すること。ポケモンで言うと、色の違うピカチュウが出現するようなイメージです。 BはわかりやすくSTが低下しています。




